事例3:施工体制台帳・グリーンファイル書類
近年、コンプライアンスの観点から、工事における元請負会社と協力会社が作成する施工体制台帳書類とグリーンファイル書類に関して、監督官庁より違反時の罰則を伴う厳しい監理が実施されています。

●作成運用と義務
- 元請と協力会社が工事毎に関連書類を作成する。
- 作成された書類は、法的に作業所に備付け義務がある。(紙でなくても可)
●課題
- 工事期間中に書類の追加と内容更新が頻繁にある。
- 書類量が多く、元請の管理と協力会社の作成更新と管理が大きな負担となる。
- ゼネコン各社が使用している帳票は不統一
⇒業界標準早期統一が難しい。

●対策としてWIZDOMを適用した例
<WIZDOMのASP機能利用>
- 施工体制台帳ならびにグリーンファイルの関連書類を、WIZDOMのASP機能利用で元請と協力会社を含めた工事関係者の情報共有化を図る。
- 作業員とその雇用会社の情報が関連書類間でデータ連携された統合管理システム(上図参照)として運用する。
<効果>
- ゼネコン(作業所、内勤部署)とサブコンが同一プラットフォームで書類登録状況を、的確に確認できる。
- 施工体制台帳とグリーンファイルの書類間で自動チェックによる整合性確保ができる。
- 以上より、的確なコンプライアンス遵守を実現できる。
■施工体制台帳とグリーンファイルの統合管理システムの事例
- ・協力会社が関与する施工体制台帳関連書類と安全衛生関連書類(グリーンファイル)を含む。
- ・Webシステムで元請と協力会社が情報共有できる。
- ・元請内勤部門が各作業所の書類整備状況を把握できる。

■協力会社における保有データ利用による入力手間の削減
- ・施工体制台帳においては、excel版「協力会社基本情報シート」を利用して2次以下の下請会社群の情報を収集して、1次下請け会社がまとめてWIZDOMに流し込むことができます。
- ・グリーンファイルに関しては、協力会社保有の作業員管理データ(作業員管理台帳等)をCSV形式でWIZDOMに取り込むことが可能です。
上記のように協力会社の重複データ入力の削減が可能ですので、詳細については弊社までお問い合わせください。
本システム事例は、大手ゼネコンにおいて全社規模で展開し、数十万人の作業員を登録して、日々の管理に貢献している実績のある事例です。
(参考)施工体制台帳とグリーンファイルとは
■「施工体制台帳」国土交通省(関連法規:建設業法)
- 「施工体制台帳」は、元請業者が工事全体の施工体制を十分に把握することにより、施工品質の向上をはじめ、施工上のトラブル・不良不適格業者の参入・一括下請等の防止を図ることを目的としている。
- 工事現場ごとに備付け業務があり(建築一式工事では4,500万円以上)、元請が作成する書類と協力会社が作成する書類が含まれる。
- この規定に違反した場合には、建設業法による監督処分の対象となる。
⇒施工体制台帳書類の不作為、虚偽の申請等の場合に営業停止処分となる場合がある。
■「グリーンファイル」厚生労働省管轄(関連法規:安全衛生法)
- グリーンファイルとは通称で、労務安全関係書類を指す。
- 安全関係書類は厚生労働省発行文書(基発第267号の2 元方事業者による建設現場安全管理指針について)で定められている工事現場備付け書類の総称。
- 労働基準監督署から臨検などによって不備を指摘される。
■施工体制台帳書類とグリーンファイルの監理
両方の書類は従来は監督官庁毎に別々に監理されていたが、最近は一度作業員の事故などが起きた場合に両方の書類を照合される事例が散見される。⇒作業員の雇用関係等に関して施工体制台帳とグリーンファイルの内容不整合が許されない。
(参考)関連帳票の事例・グリーンファイル関連帳票の事例
1.施工体制台帳書類 | 2.グリーンファイル書類(安全関連書類) |
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①施工体制台帳(1-1) | ①新規入場者就労報告者or作業員一覧表 |
②施工体制台帳(1-2) | ②持込機械等(移動式クレーン、等)使用届 |
③工事請負契約書 | ③持込機械等(電動具、等)使用届 |
④監理技術者資格者証 | ④危険物・有害物持込使用届 |
⑤監理技術者経歴書 | ⑤火気使用願 |
⑥施工体制台帳(2) | ⑥石綿(アスベスト)取扱い作業員一覧表 |
⑦協力会社編成表 | ⑦リスクアセスメント |
⑧再下請負通知書 | |
⑨建設業許可証(写し) | |
⑩基本契約書(写し) | |
⑪請書(写し) | |
⑫主任技術者の資格を証する書類(写し) | 元請作成書類 |
⑬施工体系図(掲示物) | 協力会社作成書類 |
⑭再下請通知書作成のお願い | 協力会社作成書類(グリーンファイル) |